平方根の利用¶
乗法公式は根号をふくむ式にも使えます。分母が2項のときの有理化、整数部分と小数部分、式の値の求め方、近似値など、平方根を使った計算を広げましょう。
この単元でできるようになること¶
- 乗法公式を使って根号をふくむ式を計算できる
- 分母が2項の式を有理化できる
- 根号をふくむ数の整数部分と小数部分を求められる
- 式を簡単にしてから値を求められる
- 近似値を使って計算できる
前に習ったこと¶
始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。
問題を読み込んでいます…
基本を理解する¶
展開公式を使う計算¶
\(\sqrt{\ }\) を含む式でも、展開公式はそのまま使えます。
使う公式
\(\sqrt{2}\) などを \(a\) や \(b\) とみて当てはめます。
例題1¶
\((\sqrt{3} + \sqrt{2})^2\) を計算しなさい。
解答
\(a = \sqrt{3}\)、\(b = \sqrt{2}\) として公式を使います。
\((\sqrt{a})^2 = a\) がポイント
2乗すると根号が外れます。ここで数がすっきりします。
例題2¶
\((\sqrt{5} + \sqrt{3})(\sqrt{5} - \sqrt{3})\) を計算しなさい。
解答
和と差の積なので \(a^2 - b^2\) の形です。
根号が完全に消えました。これが和と差の積の特徴です。
例題3¶
\((2\sqrt{3} - 1)^2\) を計算しなさい。
解答
\(a = 2\sqrt{3}\)、\(b = 1\) として
\((2\sqrt{3})^2\) は \(2^2 \times (\sqrt{3})^2 = 4 \times 3 = 12\) です。
係数も2乗する
\((2\sqrt{3})^2 = 2\sqrt{3} \times 2\sqrt{3} = 12\) です。 \(2 \times 3 = 6\) としないよう注意してください。
分母に2項ある有理化¶
分母が \(\sqrt{a} + \sqrt{b}\) のときは、和と差の積を利用します。
分母が2項のときの有理化
分母が \(a + b\) なら \(a - b\) を、\(a - b\) なら \(a + b\) を分母分子にかけます。 \((a+b)(a-b) = a^2 - b^2\) で根号が消えます。
例題4¶
\(\dfrac{1}{\sqrt{3} + 1}\) の分母を有理化しなさい。
解答
分母の \(\sqrt{3} + 1\) に対して、\(\sqrt{3} - 1\) を分母分子にかけます。
例題5¶
\(\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{5} - \sqrt{3}}\) の分母を有理化しなさい。
解答
\(\sqrt{5} + \sqrt{3}\) をかけます。
整数部分と小数部分¶
\(\sqrt{2} = 1.41\ldots\) のように、無理数は「整数部分」と「小数部分」に分けられます。
整数部分の求め方
\(\sqrt{a}\) を、前後の整数の2乗ではさみます。
よって \(\sqrt{2}\) の整数部分は \(1\)。
例題6¶
\(\sqrt{7}\) の整数部分 \(a\) と小数部分 \(b\) を求めなさい。
解答
なので \(2 < \sqrt{7} < 3\)。整数部分は
小数部分は、もとの数から整数部分を引いて
小数部分は小数で書かない
\(b = 0.645\ldots\) と書くのは不正解です。 \(\sqrt{7} - 2\) のままが正確な答えです。
例題7¶
\(\sqrt{10}\) の整数部分を \(a\)、小数部分を \(b\) とするとき、\(b^2 + 4b\) の値を求めなさい。
解答
\(3^2 = 9 < 10 < 16 = 4^2\) なので \(a = 3\)、\(b = \sqrt{10} - 3\)。
展開して
代入する前に式を整理する
\(b^2\) を先に計算するより、因数分解してから代入するほうが楽です。 式を簡単にしてから代入するのは、因数分解 でも使った考え方です。
式の値を求める¶
\(x\) に根号を含む数を代入する問題では、代入の前に式を整理します。
例題8¶
\(x = \sqrt{5} + 2\) のとき、\(x^2 - 4x + 4\) の値を求めなさい。
解答
まず因数分解します。
\(x - 2 = \sqrt{5}\) なので
そのまま代入すると大変
\((\sqrt{5}+2)^2 - 4(\sqrt{5}+2) + 4\) を展開しても解けますが、 因数分解してからのほうが圧倒的に速く、計算ミスも減ります。
例題9¶
\(x = \sqrt{3} + 1\)、\(y = \sqrt{3} - 1\) のとき、次の値を求めなさい。
- \(x + y\)
- \(xy\)
- \(x^2 + y^2\)
解答
(1)
(2) 和と差の積なので
(3) \(x^2 + y^2\) は、\((x+y)^2 = x^2 + 2xy + y^2\) を変形して求めます。
\(x^2+y^2\) は和と積から求まる
この変形は入試で頻出です。\(x\) と \(y\) を個別に2乗するより速く解けます。
近似値¶
\(\sqrt{2} \approx 1.414\)、\(\sqrt{3} \approx 1.732\) は覚えておくと便利です。
語呂合わせ
- \(\sqrt{2} = 1.41421356\ldots\) … 「ひとよひとよにひとみごろ」
- \(\sqrt{3} = 1.7320508\ldots\) … 「ひとなみにおごれや」
- \(\sqrt{5} = 2.2360679\ldots\) … 「ふじさんろくおうむなく」
例題10¶
\(\sqrt{2} = 1.414\) として、\(\sqrt{200}\) の近似値を求めなさい。
解答
\(\sqrt{200} = 100\sqrt{2}\) ではない
根号の外に出るときは \(\sqrt{100} = 10\) です。 \(100\) がそのまま出るのではありません。
自分でやってみる¶
解いたら「答えを確認」で確かめよう。
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まとめ¶
- 展開公式は根号を含む式にもそのまま使える。\((\sqrt{a})^2 = a\) で根号が外れる
- 和と差の積は根号が完全に消える
- 分母が2項なら、符号を変えたものをかけて有理化する
- 整数部分は前後の整数の2乗ではさむ。小数部分は「もとの数 − 整数部分」で、根号のまま書く
- 代入の前に因数分解や変形で式を簡単にする
- \(x^2 + y^2 = (x+y)^2 - 2xy\) は頻出
次は 二次方程式の基本。平方根の考え方が解法の1つになります。
入試の総合演習¶
模試対策:数学の要点と問題 — この単元を含め、提示範囲全体を練習できます。
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