連立方程式の解き方(加減法)¶
文字が2つの方程式でも、式が2本あれば \(x\) と \(y\) の値が決まります。2つの式をたしたりひいたりして1つの文字を消去する方法を、加減法といいます。
この単元でできるようになること¶
- 連立方程式とその解の意味を説明できる
- 係数がそろっている連立方程式を加減法で解ける
- 式を何倍かして係数をそろえ、加減法で解ける
- 分数や小数をふくむ連立方程式を、係数を整数に直してから解ける
前に習ったこと¶
始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。
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基本を理解する¶
なぜ連立方程式が必要なのか¶
1年生で学んだ「2元1次方程式」を思い出そう¶
中学 1 年で学んだ一次方程式は、未知数(求めたい文字)が 1 つでした。
この方程式には \(x\) という文字が 1 つだけ含まれており、解くと \(x = 3\) という1 つの答えが決まります。
文字が 2 つになるとどうなる?¶
では、文字が 2 つ(\(x\) と \(y\))になるとどうなるでしょう?
この式を満たす \((x, y)\) の組み合わせはいくつあるでしょうか?
なんと、無数にあります!
文字が 1 つ増えると、方程式 1 本だけでは答えが1 つに決まらないのです。
このように、2 つの文字を含む 1 次方程式を「2 元 1 次方程式」といいます。
2元1次方程式とは
\(x\)、\(y\) の 2 文字を含む 1 次方程式のこと。例:\(2x + y = 7\)、\(x - 3y = 1\)
2元1次方程式 1 本だけでは \(x\)、\(y\) の値は決まらない。
方程式が 2 本あれば決まる!¶
「リンゴ 2 個とみかん 1 個の値段は 270 円。リンゴ 1 個とみかん 3 個の値段は 300 円。それぞれの値段は?」
リンゴ 1 個を \(x\) 円、みかん 1 個を \(y\) 円とすると:
1 本目の式だけでは \(x\) も \(y\) も決まりません。
しかし 2 本の式をセットで使うと、\(x\) と \(y\) の値がちょうど 1 組に決まります。
このように「2元1次方程式を 2 本組み合わせたもの」を連立方程式といいます。
連立方程式とは
2 本以上の方程式を組み合わせて、それらを同時に満たす \(x\)、\(y\) の値を求めること。
のように中カッコでまとめて表す。
連立方程式を解く考え方¶
連立方程式を解くには「2 文字を 1 文字に減らす」ことが鍵です。
文字が 1 つの方程式(1元1次方程式)なら 1 年生のやり方で解けます。
\(x\) と \(y\) の 2 文字のうち、どちらか 1 文字を消す(消去する)ことができれば、あとは 1 年生の方法で解けます。
文字を消去する方法は主に 2 種類あります。
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| 加減法 | 2 つの式を足したり引いたりして 1 文字を消去する |
| 代入法 | 一方の式を他方に代入して 1 文字を消去する(次の章) |
この章では加減法を学びます。
加減法の基本¶
「足したり引いたりする」とはどういうこと?¶
連立方程式の 2 本の式を足したり引いたりすることで、一方の文字を消すことができます。
具体的な例で見てみましょう。
①と②を足す(①+②)と:
\(y\) が消えて \(x\) だけの方程式になりました!
\(x = 7\) を①に代入:\(7 + y = 10 \implies y = 3\)
加減法の基本アイデア
同じ係数の文字どうしは、足す(または引く)と消えるる。
- \(+y\) と \(-y\) → 足すと消える
- \(+y\) と \(+y\) → 引くと消える
加減法の手順¶
Step 1:消したい文字を決める¶
\(y\) の係数が両方とも \(2\) で同じ → \(y\) を消すことを選ぶ。
Step 2:足すか引くかを決める¶
| \(y\) の係数 | 符号 | 消すには |
|---|---|---|
| 両方とも同符号(\(+2\) と \(+2\)) | 同じ | 引く |
| 符号が逆(\(+2\) と \(-2\)) | 違う | 足す |
ここでは両方 \(+2\) なので①−②を計算する。
Step 3:式を引いて文字を消去¶
Step 4:求めた値を代入してもう一方を求める¶
\(x = 4\) を②に代入:
Step 5:確認(検算)¶
求めた解を元の 2 本の式の両方に代入して確かめる。
どちらの式に代入するか
\(x\) が求まったら、係数が小さくて計算しやすい式に代入するのがオススメ。
最後にもう一方の式でも確認するのを忘れずに!
係数をそろえる(発展)¶
消したい文字の係数が一致していない場合は、両辺に数をかけてそろえる必要があります。
例:片方の式だけかける¶
\(x\) を消したい → \(x\) の係数を①は \(2\)、②は \(1\) → ②を \(2\) 倍してそろえる。
①−②' を計算:
\(y = 3\) を①に代入する。
例:両方の式をかける¶
どちらの文字も係数がそろっていない。
\(x\) を消す場合:①を \(2\) 倍、②を \(3\) 倍して \(x\) の係数を \(6\) にそろえる。
②'−①' を計算:
\(y = 2\) を①に代入する。
確認:\(①: 3+4=7\ \checkmark\)、\(②: 2+6=8\ \checkmark\)
係数をそろえる数の選び方
消したい文字の係数の最小公倍数(LCM)になるようにかける数を選ぶ。
例:係数が \(3\) と \(4\) なら → 最小公倍数 \(12\) にそろえる(①を \(4\) 倍、②を \(3\) 倍)
例題¶
例題1:基本(足して消去)¶
解答
\(y\) の符号が逆(\(-y\) と \(+y\))なので、①+②で \(y\) を消去する。
\(x = 3\) を②に代入:
確認:\(①: 2\times3-5=1\ \checkmark\)、\(②: 3+5=8\ \checkmark\)
例題2:基本(引いて消去)¶
解答
\(y\) の係数の絶対値がそろっている(\(2\) と \(2\))。
\(y\) の係数の符号が同じなので、① - ② で \(y\) を消去する。
\(x = 3\) を①に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 13\)、\(②\) の左辺 \(= 7\)(どちらも右辺と等しい)
例題3:片方の式を何倍かする¶
解答
\(y\) の係数 \(1\) と \(-3\) の絶対値を \(3\) にそろえる。
\(y\) の係数の符号がちがうので、①×3 + ② で \(y\) を消去する。
\(x = 4\) を①に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 11\)、\(②\) の左辺 \(= 11\)(どちらも右辺と等しい)
例題4:両方の式をかける¶
解答
\(y\) を消す:\(y\) の係数は \(3\) と \(2\) → 最小公倍数 \(6\) にそろえる。
\(y\) の係数が同じ \(-6\) なので ②'−①'で消去する。
\(x = 2\) を①に代入:
確認:\(①: 8-3=5\ \checkmark\)、\(②: 6-2=4\ \checkmark\)
例題5:分数を含む連立方程式¶
解答
まず各式の分母をはらって、係数を整数にする。右辺にもかけるのを忘れないこと。
①の両辺に \(6\) をかけて、分母をはらう。
②の両辺に \(12\) をかけて、分母をはらう。
整数の係数の連立方程式になった。
\(x\) の係数の絶対値がそろっている(\(3\) と \(3\))。
\(x\) の係数の符号が同じなので、①' - ②' で \(x\) を消去する。
\(y = 6\) を①'に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 4\)、\(②\) の左辺 \(= -1\)(どちらも右辺と等しい)
例題6:小数を含む連立方程式¶
解答
まず各式の両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
①の両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
②の両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
整数の係数の連立方程式になった。
\(y\) の係数 \(2\) と \(-1\) の絶対値を \(2\) にそろえる。
\(y\) の係数の符号がちがうので、①' + ②'×2 で \(y\) を消去する。
\(x = 2\) を②'に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 1.6\)、\(②\) の左辺 \(= 0.5\)(どちらも右辺と等しい)
例題7:小数第2位までの連立方程式¶
解答
小数第2位まであるときは \(100\)、小数第1位までなら \(10\) をかける。式ごとにかける数がちがってよい。
①の両辺に \(100\) をかけて、小数を整数に直す。
②の両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
整数の係数の連立方程式になった。
\(y\) の係数 \(3\) と \(-1\) の絶対値を \(3\) にそろえる。
\(y\) の係数の符号がちがうので、①' + ②'×3 で \(y\) を消去する。
\(x = 2\) を②'に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 0.26\)、\(②\) の左辺 \(= -0.2\)(どちらも右辺と等しい)
自分でやってみる¶
解いたら「答えを確認」で確かめよう。
問題を読み込んでいます…
間違えやすいポイント¶
よくある間違い
- 分母をはらうとき、右辺への掛け算を忘れる:両辺のすべての項に同じ数をかけること
- 分数・小数の式で、カッコをはらい忘れる:\(\dfrac{2x-1}{3}\times3 = 2x-1\)(カッコごと \(3\) 倍)
- 引き算のときの符号ミス:\(A - (-B) = A + B\)(マイナス×マイナスはプラス)
- 確認を片方の式だけで済ませる:必ず2 本とも確認する
まとめ¶
加減法の手順
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 前処理 | 分数は分母をはらう、小数は10倍して整数にする |
| ② 消す文字を決める | どちらの文字を消すか決める |
| ③ 係数をそろえる | 消す文字の係数が同じになるように、適切な数をかける |
| ④ 足す・引く | 符号が逆なら足す、同じなら引く |
| ⑤ 1文字を求める | 残った1文字の方程式を解く |
| ⑥ もう1文字を求める | 求めた値を代入してもう1文字を求める |
| ⑦ 確認 | 元の2本の式に両方代入して確かめる |
足す?引く?の判断
消したい文字の係数の符号を見る。
- 符号が逆(\(+a\) と \(-a\))→ 足す(\(+\) と \(-\) が打ち消し合う)
- 符号が同じ(\(+a\) と \(+a\) や \(-a\) と \(-a\))→ 引く
理解度チェック¶
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