連立方程式の解き方(代入法)¶
一方の式を「\(y = \cdots\)」や「\(x = \cdots\)」の形にして、もう一方の式に代入すると、1つの文字の方程式になります。この方法を代入法といいます。
この単元でできるようになること¶
- 代入法の手順を説明できる
- 「\(y = \cdots\)」の形の式があるとき、代入法で解ける
- 式を変形してから代入法で解ける
- 加減法と代入法を、式の形に合わせて使い分けられる
前に習ったこと¶
始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。
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基本を理解する¶
代入法とは¶
前の章では加減法(式を足したり引いたりして 1 文字を消去する方法)を学びました。
連立方程式を解くもう 1 つの方法が代入法です。
代入法とは
一方の式を「\(x = \cdots\)」または「\(y = \cdots\)」の形に変形し、
その式をもう一方の式に代入(あてはめ)することで 1 文字を消去する方法。
代入法が特に便利な場面¶
加減法でも代入法でも、どちらで解いても答えは同じです。
ただし、式の形によっては代入法の方がすばやく解けることがあります。
| 式の特徴 | 向いている方法 |
|---|---|
| どちらかの式が「\(x = \cdots\)」や「\(y = \cdots\)」の形になっている | 代入法 |
| どちらかの文字の係数が \(1\) または \(-1\) | 代入法(\(=\) の形に変形しやすい) |
| 係数がそろっていて整数どうし | 加減法・代入法どちらでも |
代入法が楽な場面
\(y = 2x + 1\) のように、すでに「\(y = \cdots\)」の形になっている式があれば、
そのままもう一方の式に代入できるので手間が少なくなります。
代入法の手順¶
Step 1:「\(\bigcirc = \cdots\)」の式を確認する¶
①がすでに「\(y = 2x - 1\)」の形になっている。
Step 2:もう一方の式に代入する¶
②の \(y\) のところに \(2x - 1\) をそのまま代入する。
Step 3:1 文字の方程式を解く¶
Step 4:求めた値を代入してもう一方を求める¶
\(x = 2\) を①に代入:
Step 5:確認(検算)¶
求めた解を元の 2 本の式の両方に代入して確かめる。
代入するときはカッコをつける
\(y = 2x - 1\) を代入するとき、\(3x + 2x - 1\) ではなく
\(3x + \boldsymbol{(}2x - 1\boldsymbol{)}\) とカッコをつけてから展開する。
特に負の符号がある場合にカッコを忘れるとミスが起きやすい。
「\(y = \cdots\)」の形に変形する¶
式がすでに「\(y = \cdots\)」の形でなくても、移項して変形してから代入できます。
①を「\(y = \cdots\)」の形に変形する。
①'を②に代入する。
\(x = 2\) を①'に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 7\)、\(②\) の左辺 \(= 11\)(どちらも右辺と等しい)
どちらの式を変形するか
係数が \(1\) または \(-1\) の文字が含まれている式を選ぶと、
分数が出にくく計算が楽になります。
加減法と代入法の使い分け¶
同じ連立方程式を両方の方法で解いてみて、比べてみましょう。
加減法で解く¶
①+②(\(+y\) と \(-y\) を消去):
\(x = 3\) を①に代入:\(y = 2\)
代入法で解く¶
①を「\(y = \cdots\)」の形に変形:
①' を②に代入:
\(x = 3\) を①'に代入:\(y = 2\)
どちらも同じ答え \(x = 3,\ y = 2\) になります。
この問題では加減法の方が手順が少なく楽ですが、式の形によって変わります。
方法の選び方まとめ
- 「\(y = \cdots\)」「\(x = \cdots\)」の形がすでにある → 代入法
- どちらかの文字の係数が \(\pm 1\) → 代入法(変形が簡単)
- 係数がそろっている・整数どうし → 加減法の方が速いことが多い
- 判断に迷ったら どちらで解いても正解
例題¶
例題1:すでに「\(y = \cdots\)」の形がある¶
解答
①がすでに「\(y = x + 3\)」の形 → ②に代入する。
\(x = 2\) を①に代入:
確認:\(①: 5=2+3\ \checkmark\)、\(②: 4+5=9\ \checkmark\)
例題2:「\(x = \cdots\)」の形を代入する¶
解答
①が「\(x = 3y - 1\)」の形 → ②の \(x\) に代入する。
\(y = 2\) を①に代入:
確認:\(①: 5=6-1\ \checkmark\)、\(②: 10+2=12\ \checkmark\)
例題3:変形してから代入する(係数が 1)¶
解答
①で \(x\) の係数が \(1\) → ①を「\(x = \cdots\)」の形に変形する。
①' を②に代入する。
\(y = 3\) を①'に代入:
確認:\(①: 2+6=8\ \checkmark\)、\(②: 6-3=3\ \checkmark\)
例題4:変形してから代入する(係数が −1)¶
解答
①で \(y\) の係数が \(-1\)。\(-y\) のまま代入せず、両辺に \(-1\) をかけて「\(y = \cdots\)」の形にする。
①を「\(y = \cdots\)」の形に変形する。
①'を②に代入する。
\(x = 3\) を①'に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 5\)、\(②\) の左辺 \(= 11\)(どちらも右辺と等しい)
例題5:分数を含む連立方程式¶
解答
まず分母をはらって、係数を整数にする。
①の両辺に \(2\) をかけて、分母をはらう。
整数の係数の連立方程式になった。
①'を「\(x = \cdots\)」の形に変形する。
①''を②に代入する。
\(y = 1\) を①''に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 1\)、\(②\) の左辺 \(= 14\)(どちらも右辺と等しい)
例題6:小数を含む連立方程式¶
解答
まず両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
①の両辺に \(10\) をかけて、小数を整数に直す。
整数の係数の連立方程式になった。
①'を「\(y = \cdots\)」の形に変形する。
①''を②に代入する。
\(x = 2\) を①''に代入する。
確認:\(①\) の左辺 \(= 0.7\)、\(②\) の左辺 \(= -7\)(どちらも右辺と等しい)
例題7:カッコがある連立方程式¶
解答
②がすでに「\(y = \cdots\)」の形 → まず①を展開・整理してから代入する。
①を展開する:
①' に②(\(y = 2x - 7\))を代入する:
\(x = 4\) を②に代入:
確認:\(①: 3(4-1)=9=4+5\ \checkmark\)、\(②: 1=8-7\ \checkmark\)
自分でやってみる¶
解いたら「答えを確認」で確かめよう。
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間違えやすいポイント¶
よくある間違い
- カッコをつけ忘れる:\(y = 2x - 1\) を代入するとき、\(3x + 2x - 1\)(❌) → \(3x + (2x - 1)\)(✅)
- 符号の変形ミス:\(-y = 3 - x\) → \(y = x - 3\)(両辺に \(-1\) をかけて符号をすべて逆にする)
- 代入する式と代入される式を混同する:変形した式(①')はもう一方の式(②)に代入する
- 確認を 1 本だけで済ませる:必ず元の 2 本とも確認する
まとめ¶
代入法の手順
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 前処理 | 分数は分母をはらう、小数は10倍して整数にする |
| ② 変形する | どちらかの式を「\(x = \cdots\)」または「\(y = \cdots\)」の形にする |
| ③ 代入する | 変形した式をもう一方の式に代入する(カッコをつける!) |
| ④ 1文字を解く | 1文字の方程式を解く |
| ⑤ もう1文字を求める | 求めた値を変形した式に代入する |
| ⑥ 確認する | 元の2本の式に両方代入して確かめる |
代入法が有利な場面
- 「\(y = \cdots\)」「\(x = \cdots\)」の形がすでにある
- どちらかの文字の係数が \(1\) または \(-1\)(変形が簡単)
理解度チェック¶
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