LESSON 1 / 2
作図の基本¶
定規とコンパスだけを使って図をかくことを作図といいます。目もりや分度器を使わなくても、「コンパスで等しい長さをとる」ことを組み合わせるだけで、線分をちょうど半分にしたり、角をちょうど半分にしたり、直角をつくったりできます。
この単元でできるようになること¶
- 作図で使ってよい道具と、その使い方を説明できる
- 線分の垂直二等分線を作図し、中点を求められる
- 角の二等分線を作図できる
- 直線上の点・直線の外の点から、垂線を作図できる
- 正三角形など、基本の作図を組み合わせた図形をかける
- 作図の手順が正しい理由を、「等しい長さ」を使って説明できる
前に習ったこと¶
始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。
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基本を理解する¶
作図のきまり¶
中学数学の作図では、使える道具が決まっています。
| 道具 | できること | してはいけないこと |
|---|---|---|
| 定規 | 直線・線分を引く | 目もりで長さをはかる |
| コンパス | 円や弧をかく・等しい長さを写しとる | 角度をはかる |
ポイント
作図では、定規の目もりや分度器を使って長さや角度をはかってはいけない。
定規は「まっすぐな線を引く道具」、コンパスは「等しい長さをとる道具」として使う。
作図で目指すのは、次のような図を正確にかくことです。
- 垂直二等分線:線分をちょうど半分にする(中点を求める)
- 角の二等分線:角をちょうど半分にする
- 垂線:ある直線に垂直な直線を引く
- 正三角形・正方形など、決まった形の図形
これらはすべて「コンパスで等しい長さをとる」ことの組み合わせでできます。
コンパスで等しい長さをとる¶
1つの円の半径は、どれも長さが等しくなります。コンパスで同じ半径の円(弧)をかくと、中心から等しい距離にある点をとることができます。
ポイント
コンパスの開きを変えずにかいた円(弧)の上の点は、どれも中心から同じ距離にある。
垂直二等分線¶
線分 AB の中点を通り、AB に垂直な直線を、線分 AB の垂直二等分線といいます。2点 A、B から等しい距離にある点を見つけるときや、中点を求めるときに使います。
- A を中心に、AB の半分より長い半径で、AB の上と下に弧をかく。
- コンパスの開きを変えずに、B を中心に弧をかく。
- 2つの弧の交点を P、Q とする。
- 直線 PQ を引く。PQ が垂直二等分線で、AB との交点 M が中点(AM = MB)。
ポイント
垂直二等分線上の点は、線分の両端 A、B から等しい距離にある。
同じ半径で弧をかくので PA = PB、QA = QB。だから直線 PQ は AB を垂直に2等分する。
角の二等分線¶
角をちょうど半分に分ける半直線を、その角の二等分線といいます。角の2辺から等しい距離にある点を見つけるときに使います。
- 頂点 O を中心とする円(弧)をかき、辺 OX、OY との交点を P、Q とする(OP = OQ)。
- P、Q を中心として、等しい半径の円をかき、その交点を R とする(PR = QR)。
- 半直線 OR を引く。OR が \(\angle\)XOY の二等分線。
ポイント
角の二等分線上の点は、角の2辺から等しい距離にある。
垂線¶
ある直線に垂直に交わる直線を垂線といいます。点が直線の上にあるときと、直線の外にあるときで、かき方が少しちがいます。
直線 \(\ell\) 上の点 P を通る垂線
- P を中心とする円をかき、\(\ell\) との交点を A、B とする。
- A、B を中心として等しい半径の円をかき、その交点を Q とする。
- 直線 PQ を引く。
直線 \(\ell\) の外にある点 P から引く垂線
- P を中心に、\(\ell\) と2点で交わる円をかき、交点を A、B とする。
- A、B を中心として等しい半径の円をかき、P と反対側の交点を Q とする。
- 直線 PQ を引く。\(\ell\) との交点 H を垂線の足という。
ポイント
どちらも、\(\ell\) 上にとった2点 A、B の垂直二等分線をかいている(PA = PB、QA = QB)。
垂線のくわしい使い方は、次の Lesson「垂線を利用する作図」で学ぶ。
動かして確かめる¶
作図ラボ で、定規とコンパスを使って画面の上で作図してみよう。垂直二等分線・角の二等分線・垂線を、自分の手でかいて確かめられます。
例題¶
例題1 垂直二等分線と中点¶
線分 AB の中点 M を作図せよ。
解き方
中点は「A と B から等しい距離にあって、AB の上にある点」。だから垂直二等分線を使う。
- A を中心に、AB の半分より長い半径で弧を上下にかく。
- 同じ半径のまま B を中心に弧を上下にかく。
- 2つの弧の交点を P、Q とする。
- 直線 PQ を引く。AB との交点が中点 M。
例題2 角の二等分線¶
\(\angle\)XOY を二等分する半直線を作図せよ。
解き方
まず O から等しい距離の2点を2辺の上にとり、そこから同じ半径で円をかく。
- O を中心に円をかき、2辺との交点を P、Q とする。
- P、Q を中心に同じ半径の円をかき、交点を R とする。
- 半直線 OR を引く。
例題3 直線の外の点からの垂線¶
直線 \(\ell\) の外にある点 P から、\(\ell\) への垂線を作図せよ。
解き方
\(\ell\) の上に、P から等しい距離の2点をつくるのがはじめの一歩。
- P を中心に大きめの円をかき、\(\ell\) と2点 A、B で交わらせる。
- A、B を中心に同じ半径の円をかき、\(\ell\) について P と反対側の交点 Q をとる。
- P と Q を結ぶ直線を引く。\(\ell\) との交点 H が垂線の足。
例題4 正三角形¶
線分 AB を1辺とする正三角形 ABC を作図せよ。
解き方
正三角形は3辺が等しいので、AB と同じ長さを半径にしてコンパスを使う。
- A を中心に半径 AB の弧をかく。
- B を中心に半径 AB の弧をかく。
- 2つの弧の交点を C とし、A と C、B と C を結ぶ。
A を中心とする弧の上なので AC = AB、B を中心とする弧の上なので BC = AB。よって AB = BC = CA。
自分でやってみる¶
ノートに作図してから、「解答・解説を見る」で確かめよう。
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間違えやすいポイント¶
コンパスの跡を消してしまう
✗ 弧をかいたあと、消しゴムで消して直線だけ残す
○ 弧(コンパスの跡)は消さずに残す
跡が残っていないと、正しい手順で作図したかどうかが分からない。テストでも跡を見て採点される。
2回目に半径を変えてしまう
✗ A からかいた弧と、B からかいた弧の半径がちがう
○ 2つの点からかく弧は、同じ半径にする
同じ半径だから「A、B から等しい距離の点」になる。半径がちがうと、垂直二等分線にも角の二等分線にもならない。
半径が小さすぎて弧が交わらない
✗ 垂直二等分線で、AB の半分より短い半径で弧をかく
○ 半径は AB の半分より長くとる
半分より短いと、A からの弧と B からの弧が交わらない。
定規の目もりではかる
✗ 定規で AB の長さをはかって、半分の位置に印をつける
○ 中点は垂直二等分線を作図して求める
作図では目もりを使わない。等しい長さはコンパスでとる。
まとめ¶
作図の基本のポイント
| 作図 | 使うとき | コンパスの使い方 | 線の上の点の性質 |
|---|---|---|---|
| 垂直二等分線 | 中点を求める・2点から等しい距離の点 | A、B から同じ半径で弧 | 両端 A、B から等しい距離 |
| 角の二等分線 | 角を2等分する・2辺から等しい距離の点 | 頂点から円 → 2つの交点から同じ半径 | 角の2辺から等しい距離 |
| 垂線 | 直角をつくる・高さや距離 | 点を中心に円 → 直線との2つの交点から同じ半径 | 直線と垂直に交わる |
作図問題を解くコツ
- 何を求めたいのかをはっきりさせる(中点? 二等分? 垂直?)
- 上の3つの作図のどれを使うか考える
- 手順どおりに作図し、コンパスの跡を消さない
- 「なぜ正しいか」を、等しい長さを使って説明できるようにする
入試に向けた総合演習は、模試対策:数学の要点と問題 で、この単元を含めた範囲全体を練習できます。
理解度チェック¶
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