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連立方程式の文章題(基本)

わからない数量が2つあるときは、それぞれを \(x\)・\(y\) とおき、問題文から等しい関係を2つ見つけて連立方程式を立てます。解いたら、答えが問題に合っているか確かめましょう。

この単元でできるようになること

  • わからない2つの数量を \(x\)・\(y\) でおける
  • 問題文から等しい関係を2つ見つけ、連立方程式を立てられる
  • 代金・個数の問題を解ける
  • 整数(2けたの数など)の問題を解ける
  • 求めた解が問題に合っているか確かめられる

前に習ったこと

始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。

問題を読み込んでいます…

基本を理解する

文章題を解く前に:1 年生との違い

中学 1 年生では、求めたいものを \(x\) の 1 文字で表して方程式を 1 本立てました。

\[ \text{1年生:} \quad x \text{ を 1 つ決めて方程式を 1 本立てる} \]

連立方程式を使うと、求めたいものが 2 つある場面で \(x\)、\(y\) の 2 文字を使い、方程式を 2 本立てることができます。

\[ \text{2年生:} \quad x \text{ と } y \text{ の 2 つを決めて方程式を 2 本立てる} \]

文章題を解く 5 ステップ

どんな文章題も、次の 5 ステップで解くことができます。

文章題を解く 5 ステップ

ステップ やること
① \(x\)、\(y\) を決める 「求めたいもの」を \(x\)、\(y\) で表し、必ずメモする
② 等しい関係を 2 つ見つける 「合計」「代金」「差」など、等式が作れる条件を 2 つ探す
③ 連立方程式を立てる 見つけた関係を式で表す
④ 連立方程式を解く 加減法または代入法で \(x\)、\(y\) を求める
⑤ 確認して答える 求めた値が問題文の条件を満たすか確かめ、答えを書く

文章題で「等しい関係」を見つけるコツ

文章題で最も重要なのが「どこで等式を作るか」を見つけることです。

注目するキーワード

キーワード 立てる式のヒント
「合わせて〜」「全部で〜」「合計〜」 \(x + y = \text{合計}\)
「〜円になった」「代金は〜円」 (単価)×(個数)の合計 \(=\) 代金
「〜多い」「〜少ない」「差は〜」 \(x - y = \text{差}\)
「\(A\) は \(B\) の〜倍」 \(A = \text{○} \times B\)
「〜倍より〇大きい(小さい)」 \(A = \text{○}B + \text{○}\)
「十の位」「一の位」 \(10x + y\)(2桁の数)

等しい関係を探すポイント

文章の中で数値が書いてある箇所に注目する。
「何と何が等しい(同じ金額になる、同じ個数になる)のか」を確認すると、等式が見えてきます。

【代金の問題】

代金の問題の基本

代金の問題では次の関係が使えます。

\[ \text{代金} = \text{単価} \times \text{個数} \]

複数の商品がある場合は、代金をそれぞれ足して合計を作ります。

\[ (\text{商品Aの単価}) \times x + (\text{商品Bの単価}) \times y = \text{合計代金} \]

例題1:単価を求める

りんご 3 個とみかん 5 個を買ったら 750 円だった。
また、りんご 2 個とみかん 3 個を買ったら 460 円だった。
りんご 1 個とみかん 1 個の値段をそれぞれ求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

りんご 1 個の値段を \(x\) 円、みかん 1 個の値段を \(y\) 円とおく。

② 等しい関係を見つける

  • 1 回目の買い物:りんご 3 個 + みかん 5 個 = 750 円
  • 2 回目の買い物:りんご 2 個 + みかん 3 個 = 460 円

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} 3x + 5y = 750 & \cdots ① \\ 2x + 3y = 460 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

\(x\) を消去する:①を 2 倍、②を 3 倍してそろえる。

\[ ①\times2:\quad 6x + 10y = 1500 \quad \cdots ①' \]
\[ ②\times3:\quad 6x + 9y = 1380 \quad \cdots ②' \]

①'−②'(\(6x\) を消去):

\[ y = 120 \]

\(y = 120\) を②に代入:

\[ 2x + 360 = 460 \implies 2x = 100 \implies x = 50 \]

⑤ 確認して答える

  • ①:\(3\times50 + 5\times120 = 150 + 600 = 750\) ✅
  • ②:\(2\times50 + 3\times120 = 100 + 360 = 460\) ✅
  • \(x = 50 > 0\)、\(y = 120 > 0\) で値段として適切 ✅

答え:りんご 1 個 50 円、みかん 1 個 120 円

例題2:個数を求める

1 個 80 円のあめと 1 個 120 円のチョコレートを合わせて 15 個買い、代金の合計は 1480 円だった。
あめとチョコレートをそれぞれ何個買ったか求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

あめを \(x\) 個、チョコレートを \(y\) 個とおく。

② 等しい関係を見つける

  • 個数の合計:\(x + y = 15\)
  • 代金の合計:\(80x + 120y = 1480\)

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} x + y = 15 & \cdots ① \\ 80x + 120y = 1480 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

②を 40 で割って整理する。

\[ 2x + 3y = 37 \quad \cdots ②' \]

①×2:\(2x + 2y = 30 \quad \cdots ①'\)

②'−①'(\(2x\) を消去):

\[ y = 7 \]

\(y = 7\) を①に代入:\(x = 8\)

⑤ 確認して答える

  • 個数:\(8 + 7 = 15\) ✅
  • 代金:\(80\times8 + 120\times7 = 640 + 840 = 1480\) ✅
  • \(x = 8 \geq 0\)、\(y = 7 \geq 0\) で個数として適切 ✅

答え:あめ 8 個、チョコレート 7 個

個数の問題で立てる 2 本の式

  • 1 本目:個数の合計 → \(x + y = (\text{合計個数})\)
  • 2 本目:代金の合計 → \((\text{単価}_A) \cdot x + (\text{単価}_B) \cdot y = (\text{合計代金})\)

例題3:おつりから代金を求める

ボールペン 3 本とノート 2 冊を 1000 円で買ったら、おつりが 140 円だった。
また、ボールペン 1 本とノート 4 冊を買ったら 700 円だった。
ボールペン 1 本とノート 1 冊の値段をそれぞれ求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

ボールペン 1 本を \(x\) 円、ノート 1 冊を \(y\) 円とおく。

② 等しい関係を見つける

  • 1 回目:1000 円出しておつりが 140 円 → 代金は \(1000 - 140 = 860\) 円
    → \(3x + 2y = 860\)
  • 2 回目:\(x + 4y = 700\)

「おつり」が出てきたら

(実際に払った代金)=(出したお金)−(おつり)
先に代金を計算してから式を立てる。

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} 3x + 2y = 860 & \cdots ① \\ x + 4y = 700 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

②の \(x\) の係数が 1 なので代入法が使いやすい。

②を「\(x = \cdots\)」の形に変形:

\[ x = 700 - 4y \quad \cdots ②' \]

②' を①に代入:

\[ 3(700 - 4y) + 2y = 860 \]
\[ 2100 - 12y + 2y = 860 \implies -10y = -1240 \implies y = 124 \]

\(y = 124\) を②'に代入:

\[ x = 700 - 4\times124 = 700 - 496 = 204 \]

⑤ 確認して答える

  • ①:\(3\times204 + 2\times124 = 612 + 248 = 860\) ✅
  • ②:\(204 + 4\times124 = 204 + 496 = 700\) ✅

答え:ボールペン 1 本 204 円、ノート 1 冊 124 円

【整数の問題】

整数の問題の基本的な考え方

整数の文章題では、次の 3 つのパターンが特によく出てきます。

パターン 立てる式
①「和と差」の条件 \(x + y = \text{和}\)、\(x - y = \text{差}\)
②「倍数関係」の条件 \(x = \text{○}y + \text{○}\) など
③「2 桁の整数」の条件 もとの数 \(= 10x + y\)、入れ替えた数 \(= 10y + x\)

例題4:和と差の問題

2 つの自然数があり、和は 53、大きい方から小さい方を引くと 17 になる。
この 2 つの自然数を求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

大きい方の数を \(x\)、小さい方の数を \(y\) とおく。

② 等しい関係を見つける

  • 和は 53:\(x + y = 53\)
  • 差は 17:\(x - y = 17\)

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} x + y = 53 & \cdots ① \\ x - y = 17 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

①+②(\(y\) を消去):

\[ 2x = 70 \implies x = 35 \]

\(x = 35\) を①に代入:\(y = 18\)

⑤ 確認して答える

  • 和:\(35 + 18 = 53\) ✅
  • 差:\(35 - 18 = 17\) ✅
  • \(x = 35 > y = 18 > 0\)(大小関係・自然数)✅

答え:35 と 18

例題5:倍数の関係がある整数の問題

2 つの整数があり、大きい方は小さい方の 3 倍より 4 小さい。
また、2 つの整数の和は 60 である。この 2 つの整数を求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

大きい方の数を \(x\)、小さい方の数を \(y\) とおく。

② 等しい関係を見つける

  • 「大きい方は小さい方の 3 倍より 4 小さい」:
    「小さい方の 3 倍」 \(= 3y\) から 4 を引いたものが \(x\) → \(x = 3y - 4\)

  • 和は 60:\(x + y = 60\)

「〜倍より〇小さい」の読み方

「\(A\) は \(B\) の 3 倍より 4 小さい」
→ まず「\(B\) の 3 倍」= \(3B\) を作る
→ そこから 4 を引く → \(A = 3B - 4\)

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} x = 3y - 4 & \cdots ① \\ x + y = 60 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

①がすでに「\(x = \cdots\)」の形 → 代入法

①を②に代入:

\[ (3y - 4) + y = 60 \implies 4y = 64 \implies y = 16 \]

\(y = 16\) を①に代入:\(x = 48 - 4 = 44\)

⑤ 確認して答える

  • 「大きい方は小さい方の 3 倍より 4 小さい」:\(3\times16-4 = 44\) ✅
  • 和:\(44 + 16 = 60\) ✅

答え:44 と 16

例題6:2 桁の整数の問題(十の位と一の位の入れ替え)

2 桁の自然数がある。各位の数の和は 11 で、十の位と一の位を入れ替えた数はもとの数より 27 大きい。
もとの 2 桁の整数を求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

十の位の数を \(x\)、一の位の数を \(y\) とおく。

  • もとの数:\(10x + y\)
  • 十の位と一の位を入れ替えた数:\(10y + x\)

2 桁の整数の表し方

十の位が \(x\)、一の位が \(y\) のとき:

\[ \text{もとの数} = 10x + y \qquad \text{入れ替えた数} = 10y + x \]

例:十の位が 4、一の位が 7 なら、もとの数は \(10\times4+7=47\)、入れ替えると \(74\)。

② 等しい関係を見つける

  • 各位の数の和は 11:\(x + y = 11\)
  • 入れ替えた数はもとの数より 27 大きい: $\((\text{入れ替えた数}) = (\text{もとの数}) + 27\)$

$\(10y + x = (10x + y) + 27\)$

③ 連立方程式を立てる

まず 2 つ目の式を整理する。

\[ 10y + x = 10x + y + 27 \]
\[ 9y - 9x = 27 \implies y - x = 3 \quad \cdots ② \]
\[ \begin{cases} x + y = 11 & \cdots ① \\ -x + y = 3 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

①+②(\(x\) を消去):

\[ 2y = 14 \implies y = 7 \]

\(y = 7\) を①に代入:\(x = 4\)

⑤ 確認して答える

  • 各位の和:\(4 + 7 = 11\) ✅
  • もとの数:\(47\)、入れ替えた数:\(74\)
  • \(74 - 47 = 27\)(入れ替えた数はもとの数より 27 大きい)✅
  • \(x = 4\)、\(y = 7\) はともに 1〜9 の整数 ✅

答え:47

「入れ替えた数」の式の立て方

「入れ替えた数はもとの数より 27 大きい」は
\((\text{入れ替えた数}) = (\text{もとの数}) + 27\) と立てる。
左辺と右辺を逆にしないよう注意!

例題7:2 桁の整数(十の位と一の位の関係)

2 桁の正の整数がある。十の位の数は一の位の数の 3 倍である。
また、各位の数の和は 8 である。もとの 2 桁の整数を求めよ。

解答

① \(x\)、\(y\) を決める

十の位の数を \(x\)、一の位の数を \(y\) とおく。

  • もとの数:\(10x + y\)

② 等しい関係を見つける

  • 「十の位は一の位の 3 倍」:\(x = 3y\)
  • 「各位の数の和は 8」:\(x + y = 8\)

③ 連立方程式を立てる

\[ \begin{cases} x = 3y & \cdots ① \\ x + y = 8 & \cdots ② \end{cases} \]

④ 解く

①がすでに「\(x = \cdots\)」の形 → 代入法

①を②に代入:

\[ 3y + y = 8 \implies 4y = 8 \implies y = 2 \]

\(y = 2\) を①に代入:\(x = 6\)

⑤ 確認して答える

  • 「十の位は一の位の 3 倍」:\(6 = 3\times2\) ✅
  • 各位の和:\(6 + 2 = 8\) ✅
  • \(x = 6\)、\(y = 2\) はともに 1〜9 の整数 ✅
  • もとの数:\(62\)

答え:62

2 桁の整数問題で使う 2 種類の条件

中学 2 年の連立方程式でよく使われる条件の組み合わせは次のとおりです。

条件 立てる式
各位の数の和(または差) \(x + y = \text{○}\)
入れ替えた数との差 \(10y + x = (10x + y) \pm \text{○}\) → \(x - y = \text{○}\)
十の位と一の位の倍数関係 \(x = \text{○}y\)

自分でやってみる

解いたら「答えを確認」で確かめよう。

問題を読み込んでいます…

間違えやすいポイント

よくある間違い

  • \(x\)、\(y\) の意味を途中で忘れる → 最初に必ず書く
  • 単位がバラバラな式を立てる → 両辺の単位をそろえる(代金の式は両辺とも「円」)
  • 「より〇大きい(小さい)」の向きを間違える → 「\(A\) は \(B\) より〇大きい」→ \(A = B + \text{○}\)
  • 確認せずに答える → 求めた値を問題文に当てはめ、現実的な値かどうかも確認する

文章題でよくある間違いと対策

間違い①:\(x\)、\(y\) の意味を途中で忘れる

「\(x\) は何の個数だっけ?」と途中で混乱します。

✅ 対策:「\(x\) = 〇〇(単位)」を最初に必ずメモしてから解き始める。


間違い②:式を立てるとき単位がバラバラになる

代金の式に個数をそのまま混ぜてしまうミスです。

例:\(x + 120y = 15\)(個数と代金が混在)❌

✅ 対策:式の両辺の単位をそろえる。代金の式なら両辺とも「円」。


間違い③:「もとの数より〇大きい(小さい)」の式の向きを間違える

「入れ替えた数はもとの数より 27 大きい」
→ \((\text{入れ替えた数}) - (\text{もとの数}) = 27\)(✅)
→ \((\text{もとの数}) - (\text{入れ替えた数}) = 27\)(❌)

✅ 対策:「〇はより〇大きい」の主語(〇は)が左辺。それがもう一方より大きいので右辺に \(+ 27\) する。


間違い④:確認を省いて終わる

答えが分数や負の数になっていても気づかずに書いてしまいます。

✅ 対策:元の問題文に当てはめて確認し、答えが現実的な値かどうか(個数は整数・値段は正の数など)も確認する。

まとめ

文章題を解く 5 ステップ

  1. \(x\)、\(y\) を決める:何を \(x\)、\(y\) とおくかを最初に必ず書く
  2. 等しい関係を 2 つ探す:合計・代金・差・倍数関係などのキーワードを探す
  3. 連立方程式を立てる:見つけた関係を式で表す(単位をそろえる!)
  4. 解く:加減法または代入法で \(x\)、\(y\) を求める
  5. 確認して答える:問題文の条件を満たすか、現実的な値かを確認する

等しい関係を見つけるキーワード

キーワード 式のヒント
「合わせて」「全部で」「合計」 \(x + y = \text{○}\)
「〜円」「代金」 \((\text{単価})x + (\text{単価})y = \text{合計代金}\)
「差」「より〇多い(少ない)」 \(x - y = \text{○}\)
「〜倍より〇大きい(小さい)」 \(x = \text{○}y + \text{○}\)
「十の位」「一の位」 もとの数 \(= 10x + y\)、入れ替えた数 \(= 10y + x\)

理解度チェック

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