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正負の数②(累乗)

同じ数を何回かかけるとき、\(2^4\) のように指数を使って表します。負の数の累乗では、指数が偶数か奇数かで符号が決まります。カッコの有無と計算の順序に注意しましょう。

この単元でできるようになること

  • 累乗の意味と、底・指数を説明できる
  • 正の数・負の数の累乗を計算できる
  • \((-3)^2\) と \(-3^2\) のちがいを説明できる
  • 累乗をふくむ四則計算を、正しい順序で計算できる

前に習ったこと

始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。

問題を読み込んでいます…

基本を理解する

指数とは?

同じ数を何回もかけるとき、何回かけるかを小さな数字で表すのが指数のアイデア。

\[ 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 2^4 \]

この式の \(2\) を底(てい)、\(4\) を指数という。そして \(2^4\) のことを「\(2\) の \(4\) 乗」と読む。

\[ \underbrace{2 \times 2 \times 2 \times 2}_{\text{2 を 4 回かける}} = 2^4 = 16 \]

(底 \(= 2\)、指数 \(= 4\))

累乗の読み方・書き方

\[ \underbrace{a}_{\text{底}} {}^{\displaystyle\overbrace{n}^{\text{指数}}} \]
式 読み方 意味
\(2^1\) 2の1乗 \(2\)
\(2^2\) 2の2乗(2の平方) \(2 \times 2 = 4\)
\(2^3\) 2の3乗(2の立方) \(2 \times 2 \times 2 = 8\)
\(2^4\) 2の4乗 \(2 \times 2 \times 2 \times 2 = 16\)
\(a^n\) \(a\) の \(n\) 乗 \(a\) を \(n\) 回かけた数

正の数の累乗

正の数を何乗しても、答えは必ず正の数になる。

式 計算 答え
\(3^1\) \(3\) \(+3\)
\(3^2\) \(3 \times 3\) \(+9\)
\(3^3\) \(3 \times 3 \times 3\) \(+27\)
\(3^4\) \(3 \times 3 \times 3 \times 3\) \(+81\)

正の数を何乗しても、答えはいつも正。

負の数の累乗(ここが重要!)

負の数を累乗すると、指数(乗数)が偶数か奇数かで符号が変わる。

これが正負の数の累乗でいちばん大切なポイント。

式 負の数の個数 答え
\((-3)^1\) 1個(奇数) \(-3\)
\((-3)^2 = (-3) \times (-3)\) 2個(偶数) \(+9\)
\((-3)^3 = (-3) \times (-3) \times (-3)\) 3個(奇数) \(-27\)
\((-3)^4 = (-3) \times (-3) \times (-3) \times (-3)\) 4個(偶数) \(+81\)

指数が偶数 → 正、指数が奇数 → 負。

なぜ符号が変わるのか?

「\(- \times -\)」は正になるルールを順番に追っていくと、次のように理解できる。

\[ \begin{aligned} (-2)^1 &= -2 && \text{負} \\ (-2)^2 &= (-2) \times (-2) = +4 && \text{正} \\ (-2)^3 &= (+4) \times (-2) = -8 && \text{負} \\ (-2)^4 &= (-8) \times (-2) = +16 && \text{正} \end{aligned} \]

\(-2\) をかけるたびに、符号が 正・負・正・負… と入れかわる。

負の数の累乗の符号ルール

\[ (-a)^n = \begin{cases} +a^n & (n \text{ が偶数のとき}) \\ -a^n & (n \text{ が奇数のとき}) \end{cases} \]

覚え方: 偶数乗 → プラス、奇数乗 → マイナス

カッコありとカッコなし:ここが最大の落とし穴

中学1年生が最もよく間違えるポイントがここ。 カッコがあるかどうかで、意味がまったく違う。

\[ (-3)^2 \quad \neq \quad -3^2 \]
カッコあり \((-3)^2\) カッコなし \(-3^2\)
2乗するもの \(-3\) 全体 \(3\) だけ
計算 \((-3) \times (-3)\) \(-(3 \times 3)\)
答え \(+9\) \(-9\)

カッコの有無で意味が変わる

式 意味 答え
\((-3)^2\) \(-3\) 全体を2乗 \((-3)\times(-3) = +9\)
\(-3^2\) \(3\) だけを2乗して、後から \(-\) をつける \(-(3\times3) = -9\)
\((-2)^3\) \(-2\) 全体を3乗 \((-2)\times(-2)\times(-2) = -8\)
\(-2^3\) \(2\) だけを3乗して、後から \(-\) をつける \(-(2\times2\times2) = -8\)

※ 3乗の場合は偶然同じになることもあるが、意味は異なる。

累乗を含む計算の順序

四則計算(足す・引く・かける・割る)に累乗が入ったとき、累乗を一番先に計算する。

\[ \text{累乗} \rightarrow \text{かけ算・割り算} \rightarrow \text{足し算・引き算} \]

カッコがあればカッコの中を最初に計算する。

計算の優先順位

  1. カッコの中
  2. 累乗
  3. かけ算・割り算
  4. 足し算・引き算

計算例

\[ 2 + (-3)^2 \times 4 \]
\[ \begin{aligned} 2 + (-3)^2 \times 4 &= 2 + 9 \times 4 && \text{① まず累乗}\ (-3)^2 = 9 \\ &= 2 + 36 && \text{② 次にかけ算}\ 9 \times 4 = 36 \\ &= 38 && \text{③ 最後にたし算} \end{aligned} \]

例題

例題1 累乗の基本

次の累乗の値を求めよ。

(1) \(4^3\)   (2) \((-5)^2\)   (3) \((-2)^4\)   (4) \((-1)^7\)

解答

(1) \(4^3 = 4 \times 4 \times 4 = 64\)

(2) \((-5)^2 = (-5) \times (-5) = +25\)(負が2個 → 正)

(3) \((-2)^4 = (-2)\times(-2)\times(-2)\times(-2) = +16\)(負が4個 → 正)

(4) \((-1)^7 = -1\)(負が7個=奇数個 → 負、かつ \(1\) の何乗も絶対値は \(1\))


例題2 カッコありとカッコなし

次の計算をせよ。

(1) \((-4)^2\)   (2) \(-4^2\)   (3) \((-3)^3\)   (4) \(-3^3\)

解答

(1) \((-4)^2\):\(-4\) 全体を2乗

\[(-4)^2 = (-4)\times(-4) = +16\]

(2) \(-4^2\):\(4\) だけ2乗してから \(-\) をつける

\[-4^2 = -(4\times4) = -16\]

(3) \((-3)^3\):\(-3\) 全体を3乗(負が奇数個 → 負)

\[(-3)^3 = (-3)\times(-3)\times(-3) = -27\]

(4) \(-3^3\):\(3\) だけ3乗してから \(-\) をつける

\[-3^3 = -(3\times3\times3) = -27\]

確認

(3) と (4) は結果が同じになったが、意味は異なる。奇数乗のときは偶然一致することに注意。


例題3 累乗を含む四則計算

次の計算をせよ。

(1) \((-3)^2 + 5\)

(2) \(4 - (-2)^3\)

(3) \((-2)^2 \times (-3)\)

(4) \(6 \div (-3)^2\)

解答

(1) 累乗を先に

\[(-3)^2 + 5 = 9 + 5 = 14\]

(2) 累乗を先に \((-2)^3 = -8\)

\[4 - (-8) = 4 + 8 = 12\]

(3) 累乗を先に \((-2)^2 = 4\)

\[4 \times (-3) = -12\]

(4) 累乗を先に \((-3)^2 = 9\)

\[6 \div 9 = \frac{6}{9} = \frac{2}{3}\]

例題4 複数の累乗を含む計算

次の計算をせよ。

(1) \((-2)^3 + (-3)^2\)

(2) \((-1)^{10} - (-1)^{11}\)

(3) \((-2)^2 \times 3 - 4 \div (-2)^2\)

解答

(1) それぞれ累乗を先に計算する

\[(-2)^3 + (-3)^2 = -8 + 9 = 1\]

(2) \((-1)^{10}\):偶数乗なので \(+1\)、\((-1)^{11}\):奇数乗なので \(-1\)

\[1 - (-1) = 1 + 1 = 2\]

(3) 累乗 → かけ割り → 足し引き の順

\[(-2)^2 \times 3 - 4 \div (-2)^2 = 4 \times 3 - 4 \div 4 = 12 - 1 = 11\]

例題5 文章題

気温が \(-3\) ℃の日が4日続いたとき、4日間の気温の和を次のように表した。

\[ (-3) \times 4 = -12 \quad \text{(℃)} \]

これとは別に、「\(-3\) ℃」から毎日 \(2\) ℃ずつ下がったとき、\((-3)^2\) が意味を持つか考えてみよう。

問: \((-3)^2\) と \((-3) \times 2\) の値をそれぞれ求め、違いを説明せよ。

解答
\[(-3)^2 = (-3) \times (-3) = +9\]
\[(-3) \times 2 = -6\]

違い:\((-3)^2\) は \(-3\) を2回かけたもの(\(-3 \times -3\))で結果は正の数。 \((-3) \times 2\) は \(-3\) を2倍した(\(-3 + (-3)\))もので結果は負の数。

「乗数(何回かける)」と「倍数(何倍するか)」は意味が異なる。

自分でやってみる

解いたら「答えを確認」で確かめよう。

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まとめ

正負の数と指数のポイント

内容 ポイント
指数の意味 同じ数を繰り返しかける回数を表す小さな数字
正の数の累乗 何乗しても必ず 正(+)
負の数の偶数乗 結果は正(+)
負の数の奇数乗 結果は負(−)
カッコあり \((-a)^n\) \(-a\) 全体を \(n\) 乗する
カッコなし \(-a^n\) \(a\) だけ \(n\) 乗して、後から \(-\) をつける
計算の順序 カッコ → 累乗 → かけ割り → 足し引き

特に注意!

\[(-3)^2 = +9 \qquad \text{と} \qquad -3^2 = -9 \quad \text{は別物}\]

カッコがあるかどうかを必ず確認しよう。


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