LESSON 2 / 2
垂線を利用する作図¶
垂線を作図できると、三角形の高さをかいたり、点と直線の距離を求めたり、平行線をかいたりできます。この Lesson では、垂線の2つのかき方を確かめて、いろいろな場面で使います。
この単元でできるようになること¶
- 垂線・垂線の足の意味を説明できる
- 直線上の点を通る垂線を作図できる
- 直線の外の点から垂線を作図できる
- 三角形の高さ(垂線の足が辺の延長上にある場合もふくむ)を作図できる
- 点と直線の距離が、垂線の長さであることを説明できる
前に習ったこと¶
始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。
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基本を理解する¶
垂線とは¶
ある直線に垂直(\(90°\))に交わる直線を、その直線の垂線といいます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 垂線 | 直線に垂直に交わる直線 |
| 垂線の足 | 垂線ともとの直線が交わる点 |
| 点と直線の距離 | 点から直線に引いた垂線の長さ |
垂線を引く場面は、点が直線の上にあるときと、直線の外にあるときの2通りです。
ポイント
垂線を作図できると、高さ・距離・平行線・正方形や長方形の直角がかける。
直線上の点を通る垂線¶
直線 \(\ell\) 上の点 P を通り、\(\ell\) に垂直な直線を引きます。
- P を中心とする円をかき、\(\ell\) との交点を A、B とする。
- A、B を中心として等しい半径の円をかき、その交点を Q とする。
- 直線 PQ を引く。PQ \(\perp\) \(\ell\)。
なぜ垂線になるか
PA = PB(P を中心とする円)、QA = QB(同じ半径の円)なので、P も Q も線分 AB の垂直二等分線の上にある。だから PQ \(\perp\) AB(\(\ell\))。
直線の外の点からの垂線¶
直線 \(\ell\) の外にある点 P から、\(\ell\) に垂直な直線を引きます。
- P を中心に大きめの円をかき、\(\ell\) との交点を A、B とする。
- A、B を中心として等しい半径の円をかき、\(\ell\) について P と反対側の交点を Q とする。
- 直線 PQ を引く。\(\ell\) との交点 H が垂線の足。
なぜ垂線になるか
PA = PB、QA = QB なので、P と Q はどちらも線分 AB の垂直二等分線の上にある。だから PQ \(\perp\) \(\ell\)。
三角形の高さ¶
三角形 ABC で、頂点 A から底辺 BC(またはその延長)に引いた垂線の長さが、底辺 BC に対する高さです。
垂線の足 H が辺 BC の上にあるときは、そのまま「直線の外の点からの垂線」をかきます。
\(\angle\)B が鈍角のときは、垂線の足 H が辺 BC の上ではなく、辺 CB を B の先にのばした直線の上にあります。辺をのばしてから垂線をかきます。
ポイント
高さは、頂点から底辺またはその延長に引いた垂線の長さ。鈍角三角形では、辺をのばしてから垂線をかく。
点と直線の距離¶
点 P から直線 \(\ell\) 上の点に引いた線分のうち、いちばん短いのは垂線 PH です。この PH の長さを、点 P と直線 \(\ell\) の距離といいます。
ポイント
点と直線の距離 = 点から直線に引いた垂線の長さ
動かして確かめる¶
作図ラボ で、直線上の点・直線の外の点から垂線をかいてみよう。三角形をかいて、高さを作図してみるのもおすすめです。
例題¶
例題1 直線上の点を通る垂線¶
直線 \(\ell\) 上の点 P を通り、\(\ell\) に垂直な直線を作図せよ。
解き方
P が \(\ell\) の上にあるので、P を中点とする線分をつくってから、その垂直二等分線をかく。
- P を中心に円をかき、\(\ell\) との交点を A、B とする。
- A、B を中心に同じ半径の円をかき、交点を Q とする。
- 直線 PQ を引く。PQ \(\perp\) \(\ell\)。
例題2 直線の外の点からの垂線¶
直線 \(\ell\) の外にある点 P から、\(\ell\) への垂線を作図せよ。
解き方
\(\ell\) の上に、P から等しい距離の2点をつくる。
- P を中心に \(\ell\) と2点 A、B で交わる円をかく。
- A、B を中心に同じ半径の円をかき、\(\ell\) について反対側に交点 Q をとる。
- 直線 PQ を引く。\(\ell\) との交点 H が垂線の足。
例題3 三角形の高さ¶
\(\triangle\)ABC で、底辺 BC に対する高さを作図せよ。
解き方
A は直線 BC の外にある点なので、「直線の外の点からの垂線」を使う。
- A を中心に、直線 BC と2点で交わる円をかき、交点を D、E とする(∠B や ∠C が鈍角なら、辺 BC をのばしておく)。
- D、E を中心に同じ半径の円をかき、A と反対側の交点を Q とする。
- 直線 AQ を引く。直線 BC との交点 H が垂線の足で、AH が高さ。
自分でやってみる¶
ノートに作図してから、「解答・解説を見る」で確かめよう。
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間違えやすいポイント¶
鈍角三角形で辺をのばさない
✗ ∠B が鈍角なのに、辺 BC の上だけで垂線の足をさがす
○ 辺 CB を B の先までのばしてから垂線をかく
鈍角三角形では、垂線の足が辺の延長上にくることがある。
交点 Q を P と同じ側にとる
✗ 直線の外の点 P から垂線を引くとき、P と同じ側の交点を使う
○ \(\ell\) について P と反対側の交点を使う
P と Q が近いと、直線 PQ がずれやすい。はなれた2点を結ぶほど正確に引ける。
垂線と垂直二等分線を取りちがえる
✗ 「点 P から \(\ell\) への垂線」で、線分の垂直二等分線をかこうとする
○ 垂線は「点を通って直線に垂直」な直線、垂直二等分線は「線分の中点を通って線分に垂直」な直線
かき方は似ているが、どの点を通る直線をかくのかがちがう。
まとめ¶
垂線を利用する作図のポイント
| 場面 | かき方 |
|---|---|
| 直線上の点から | 点を中心に円 → 直線との2つの交点から同じ半径 → 交点と結ぶ |
| 直線の外の点から | 点を中心に円 → 直線との2つの交点から同じ半径(反対側)→ 交点と結ぶ |
| 三角形の高さ | 頂点から底辺(またはその延長)への垂線 |
| 点と直線の距離 | 点から直線への垂線の長さ |
| 平行線 | 垂線を2回使う(同じ直線に垂直な2直線は平行) |
理解度チェック¶
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