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一次方程式の利用

文章題は「何を \(x\) にするか」を決め、等しい関係を見つけて方程式を立てます。答えが問題に合っているか(人数が整数か、など)を最後に必ず確かめましょう。

この単元でできるようになること

  • 求めるものを \(x\) とおき、等しい関係を見つけて方程式を立てられる
  • 個数と代金・年齢の問題を解ける
  • 速さ・道のり・時間の関係を使った問題を解ける
  • 割合(食塩水など)の問題を解ける
  • 求めた解が問題に合っているか確かめられる

前に習ったこと

始める前に、次の問題が解けるか確かめよう。

問題を読み込んでいます…

基本を理解する

文章題を解く共通の手順

文章題の解き方 5ステップ

  1. \(x\) を決める ── 何を \(x\) とおくか宣言する
  2. 関係を整理する ── 数量の関係を図や表に書き出す
  3. 方程式を立てる ── 等しい関係を式にする
  4. 方程式を解く ── \(x\) の値を求める
  5. 確認・答える ── 問題の条件に合うか確かめて答える

「\(x\) を何にするか」がいちばん大切

「求めたいもの」を \(x\) とおくのが基本。ただし別のものを \(x\) とした方が式が立てやすい場合もある。 \(x\) を決めたら、他の数量はすべて \(x\) で表す。

タイプ①:個数・代金の問題

考え方の図

りんご みかん 合計
個数(個) \(x\) \(10 - x\) \(10\)
代金(円) \(80x\) \(50(10 - x)\) \(640\)

代金の合計から:\(80x + 50(10 - x) = 640\)

例題1 りんごとみかん

1個 \(80\) 円のりんごと 1個 \(50\) 円のみかんを合わせて \(10\) 個買ったら \(640\) 円だった。りんごとみかんはそれぞれ何個か。

解答

① \(x\) を決める

りんごを \(x\) 個とする。みかんは \((10 - x)\) 個。

② 方程式を立てる

\[80x + 50(10 - x) = 640\]

③ 解く

\[80x + 500 - 50x = 640\]
\[30x = 140\]
\[x = \frac{140}{30} = \frac{14}{3} \cdots\]

答えが整数にならないとき

\(x\) が分数や小数になった場合、「個数」の問題では問題文か立式にミスがある可能性が高い。 今回は数値を変えて正しく作り直す。

数値修正版: 合計を \(680\) 円とすると

\[80x + 50(10-x) = 680\]
\[30x = 180 \implies x = 6\]

りんご \(\mathbf{6}\) 個、みかん \(\mathbf{4}\) 個。

確認:\(80\times6 + 50\times4 = 480 + 200 = 680\) ✅

例題2 おつりの問題

ノート \(1\) 冊 \(x\) 円と鉛筆 \(3\) 本(\(1\) 本 \(60\) 円)を買い、\(500\) 円払ったらおつりが \(80\) 円だった。ノートの値段を求めよ。

解答

代金の関係: 支払い額 = 合計金額 + おつり ではなく、

\[\text{合計金額} = 500 - 80 = 420 \text{(円)}\]
\[x + 3 \times 60 = 420\]
\[x + 180 = 420\]
\[x = 240\]

ノートは \(240\) 円。

確認:\(240 + 180 = 420\)、\(500 - 420 = 80\) ✅

例題3 割引・定価の問題

定価 \(x\) 円の商品を \(20\%\) 引きで買ったら \(1200\) 円だった。定価を求めよ。

解答

\(20\%\) 引き = 定価の \(80\%\) の価格。

\[x \times \frac{80}{100} = 1200\]
\[0.8x = 1200\]
\[x = 1200 \div 0.8 = 1500\]

定価は \(1500\) 円。

確認:\(1500 \times 0.8 = 1200\) ✅

タイプ②:年齢の問題

考え方の図

現在 \(x\) 年後
父 \(40\) 歳 \(40 + x\) 歳
子 \(10\) 歳 \(10 + x\) 歳

「父の年齢が子の年齢の3倍」から:\(40 + x = 3(10 + x)\)

例題4 何年後の問題

現在、父は \(40\) 歳、子は \(10\) 歳。父の年齢が子の年齢の \(3\) 倍になるのは何年後か。

解答

\(x\) 年後とする。

現在 \(x\) 年後
父 40 歳 \(40+x\) 歳
子 10 歳 \(10+x\) 歳
\[40 + x = 3(10 + x)\]
\[40 + x = 30 + 3x\]
\[40 - 30 = 3x - x\]
\[10 = 2x\]
\[x = 5\]

5年後。

確認:父 \(45\) 歳、子 \(15\) 歳 → \(45 = 3 \times 15\) ✅

例題5 現在の年齢を求める

現在、母と娘の年齢の和は \(46\) 歳。\(8\) 年前、母の年齢は娘の年齢の \(5\) 倍だった。現在の母と娘の年齢を求めよ。

解答

現在の娘の年齢を \(x\) 歳とする。母は \((46-x)\) 歳。

現在 8年前
母 \(46-x\) 歳 \(46-x-8 = 38-x\) 歳
娘 \(x\) 歳 \(x - 8\) 歳
\[38 - x = 5(x - 8)\]
\[38 - x = 5x - 40\]
\[78 = 6x\]
\[x = 13\]

娘 \(13\) 歳、母 \(33\) 歳。

確認:\(13 + 33 = 46\) ✅、\(8\) 年前は母 \(25\)、娘 \(5\)、\(25 = 5 \times 5\) ✅

タイプ③:速さ・道のりの問題

速さの基本公式

\[ \text{道のり} = \text{速さ} \times \text{時間} \qquad \text{速さ} = \frac{\text{道のり}}{\text{時間}} \qquad \text{時間} = \frac{\text{道のり}}{\text{速さ}} \]

速さの単位に注意

  • 時速(km/h)× 時間(h)= 道のり(km)
  • 分速(m/分)× 時間(分)= 道のり(m)
  • 単位を必ずそろえること(km と m が混在しないように)

例題6 追いかける問題

兄が家を出て分速 \(60\) m で歩き始めた。その \(10\) 分後に弟が同じ道を分速 \(100\) m で追いかけた。弟が兄に追いつくのは、弟が出発してから何分後か。

追いつく問題の線分図 家から同じ向きに、兄は弟より10分早く分速60mで、弟は分速100mで進む。追いついた地点までの道のりは同じ:兄 60(x+10) m、弟 100x m。 家 追いついた地点 兄:60(x + 10) m 弟:100x m
解答

弟が出発してから \(x\) 分後に追いつくとする。

速さ 時間 道のり
兄 分速 \(60\) m \((x+10)\) 分 \(60(x+10)\) m
弟 分速 \(100\) m \(x\) 分 \(100x\) m

追いついたとき道のりが等しい:

\[100x = 60(x + 10)\]
\[100x = 60x + 600\]
\[40x = 600\]
\[x = 15\]

弟が出発して \(15\) 分後。

確認:兄 \(60\times25=1500\) m、弟 \(100\times15=1500\) m ✅

例題7 往復の問題

家から学校まで行きは時速 \(4\) km、帰りは時速 \(6\) km で歩いた。往復の合計時間が \(1\) 時間だった。家から学校までの道のりを求めよ。

往復の問題の線分図 家から学校まで x km。行きは時速4kmで x/4 時間、帰りは時速6kmで x/6 時間。合計1時間。 家 学校 行き:時速 4km → x/4 時間 帰り:時速 6km → x/6 時間 x km
解答

家から学校までの道のりを \(x\) km とする。

速さ 道のり 時間
行き 時速 \(4\) km \(x\) km \(\dfrac{x}{4}\) 時間
帰り 時速 \(6\) km \(x\) km \(\dfrac{x}{6}\) 時間

合計時間が \(1\) 時間:

\[\frac{x}{4} + \frac{x}{6} = 1\]

両辺に \(12\) をかける:

\[3x + 2x = 12\]
\[5x = 12\]
\[x = \frac{12}{5} = 2.4\]

道のりは \(2.4\) km。

確認:行き \(\dfrac{2.4}{4}=0.6\) 時間、帰り \(\dfrac{2.4}{6}=0.4\) 時間、合計 \(1\) 時間 ✅

例題8 出会う問題

\(A\) 地点と \(B\) 地点は \(18\) km 離れている。太郎は \(A\) から時速 \(3\) km で、花子は \(B\) から時速 \(6\) km で同時に向かい合って歩き出した。2人が出会うのは出発してから何時間後か。また \(A\) 地点から何 km の地点か。

出会う問題の線分図 A地点とB地点は18km離れている。太郎はAから時速3km、花子はBから時速6kmで向かい合って進み、x時間後に出会う。3x + 6x = 18。 A B 出会う 太郎 3x km 花子 6x km 18 km
解答

出発してから \(x\) 時間後に出会うとする。

速さ 時間 道のり
太郎 時速 \(3\) km \(x\) 時間 \(3x\) km
花子 時速 \(6\) km \(x\) 時間 \(6x\) km

2人の道のりの合計 \(= 18\) km:

\[3x + 6x = 18\]
\[9x = 18\]
\[x = 2\]

\(2\) 時間後に出会う。

\(A\) 地点から \(3 \times 2 = \mathbf{6}\) km の地点。

確認:太郎 \(6\) km + 花子 \(12\) km \(= 18\) km ✅

タイプ④:割合・比率の問題

例題9 食塩水の濃度

\(6\%\) の食塩水 \(200\) g と \(10\%\) の食塩水 \(x\) g を混ぜると \(8\%\) の食塩水ができた。\(x\) を求めよ。

6% の食塩水 10% の食塩水 混ぜた後(8%)
食塩水の重さ(g) \(200\) \(x\) \(200 + x\)
塩の重さ(g) \(200 \times 0.06 = 12\) \(0.1x\) \(0.08(200 + x)\)
解答

考え方:混ぜても塩の量は変わらない

\[\underbrace{200 \times 0.06}_{\text{Aの塩}} + \underbrace{x \times 0.10}_{\text{Bの塩}} = \underbrace{(200+x) \times 0.08}_{\text{混合後の塩}}\]
\[12 + 0.1x = 0.08(200 + x)\]
\[12 + 0.1x = 16 + 0.08x\]
\[0.1x - 0.08x = 16 - 12\]
\[0.02x = 4\]
\[x = 200\]

\(200\) g。

確認:\(12 + 20 = 32\) g、\((200+200) \times 0.08 = 32\) g ✅

タイプ⑤:数・整数の問題

例題10 十の位と一の位

2桁の整数がある。十の位と一の位の和は \(9\) で、十の位と一の位を入れ替えると元の数より \(27\) 大きくなる。元の数を求めよ。

解答

十の位を \(x\) とすると、一の位は \(9 - x\)。

元の数:\(10x + (9-x) = 9x + 9\)

入れ替えた数:\(10(9-x) + x = 90 - 10x + x = 90 - 9x\)

入れ替えた数は元の数より \(27\) 大きい:

\[(90 - 9x) - (9x + 9) = 27\]
\[90 - 9x - 9x - 9 = 27\]
\[81 - 18x = 27\]
\[-18x = -54\]
\[x = 3\]

十の位 \(3\)、一の位 \(6\) → 元の数は \(36\)。

確認:\(63 - 36 = 27\) ✅

自分でやってみる

解いたら「答えを確認」で確かめよう。

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間違えやすいポイント

よくある間違い

  • 単位がバラバラ(km と m、時間と分が混在)→ 単位をそろえてから立式
  • 時間の表し方のミス(往復で「行き \(\dfrac{x}{速さ}\) 時間」を忘れる)
  • 追いかける問題で兄の時間が \(x+10\) になることを忘れる
  • 確認を省いて答えが問題に合わない(特に個数や年齢が負にならないか確認)

まとめ

一次方程式の利用:問題タイプ別ポイント

タイプ \(x\) に何をおくか 等しい関係
個数・代金 一方の個数 代金の合計
年齢 現在(または将来)の年齢 \(n\) 年後の年齢の関係
追いかける 弟(後から出た方)の時間 道のりが等しい
出会う 出会うまでの時間 道のりの合計 \(=\) 全体の距離
往復 一方向の道のり 時間の合計
食塩水 混ぜる量や濃度 塩の量が等しい

理解度チェック

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